2 液晶の種類
(1) 液晶の分子配列による類別
液晶はその分子配列の構造から基本的
には次の3つのタイプ(相)に分けられる。
ネマティック: 現在ほとんどの液晶表示装置に使用されているのはこの形の液晶である。この形の液晶は分子の位置は定っていないが、大づかみにみるとその分子軸が一定の方向に並んでいる。低電圧でこの分子の配向状態を変えることができるので使いやすい。
スメクティック: 液晶分子が層状をなして配列しており、この1つの層の中では分子が規則的に配列されているが、他の層の間とでは分子配列の規則性を持たない。この種の液晶分子は螺旋構造をしており光を旋光させる(この螺旋に沿って光の波面を回転させる)。通常「強電性液晶」と呼ばれるものはこの構造のものである。
コレステリック: 液晶の分子軸の配列が一平面上では、ネマティック液晶と同様に同一方向であるが、次の平面ではこの方向が少し角度をなしてずれ、次の平面ではさらにずれるという具合に、分子が配列している平面を進むに従って分子軸の角度がずれて(ねじれて)いく構造である。このように分子軸の方向がねじれてゆく構造はカイラルな構造と呼ばれる。 |