[/中文] [外文]①
「平家物語」冒頭
祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。 おごれる人も久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏に風の前の塵に同じ。
②
「空の境界」(俯瞰風景)より
その日、帰り道に大通りを選んだ。
自分にしては珍しい、ほんの気紛れである。
見飽きたビル街を呆と步いていると、ほどなくして人が落ちてきた。
あまり聞く機会のない、ぐしゃりという音。
ビルから墜ちて死んだのは明白だった。
アスファルトには朱色が流れていく。
その中で原形を留めているのは長い黒髪と。
細く、白を連想させる脆い手足。
そして貌の亡い、潰れた顔。
その一連の映像は、古びた頁に挟まれ、書に取り込まれて平面となった押し花を幻想させた。
――おそらくは。
首だけを胎児のように曲げたその亡骸が、私には折れた百合に見えたからだろう。[/外文]
[中文]①
《平家物语》开头
衹园寂寺之钟声,藏诸行无常之响。
娑罗双树之花色,显盛极必衰之理。
人之骄奢不可久,恰如春夜一梦醒。
纵为勇者终身灭,正似风前尘飘零。
②
节选自《空之境界》(俯瞰风景)
那一天,我回家时选择了走大路。
这对我来说算是稀奇的了,完全属于一时兴起。
漫步在这条已看得发腻的夹在高楼间的街道,不多会儿,便看到有人从高处坠落了下来。
“啪塔”一声——这样的一声我也少有听过。
很明显,她从高楼坠下,当场死去。
鲜红的颜色流淌并铺展在柏油路上。
其中尚保留着形态的,也只有那长长的黑发,以及、
纤细的、能让人想到它本是白色的娇弱的手与足。
面容不清,脸已经碎烂无形。
这一连串的情景,让我联想到被做成书签的干花瓣,它被挟进了书本,挤在了泛黄的书页之间。
——也许,我之所以这样想:
是因为那具头部如胎儿一般蜷曲的尸身,于我来看正像那折了枝的百合花吧。
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